健康基礎知識
用語解説
サイリウム(食物繊維)
サイリウムは、インドに産するオオバコ科ブロンドサイリウム (Plantago Ovata Forskal) の種子外皮から採った天然植物ガムです。成分の 90%以上が食物繊維で、不溶性と水溶性の食物繊維を含みます。吸水作用、膨張作用、吸着作用、整腸作用、血糖値抑制作用、血中脂質調整作用などの効果があるといわれています。
インド伝承医学(アユルベーダ)では、10 世紀頃から肥満・高コレステロール症等の治療にサイリウムが用いられてきました。近代医学でも、サイリウムを始めとする水溶性食物繊維が、高脂肪・高度精製食品のもたらす文明病(肥満・高脂血症・動脈硬化・糖尿病等)に効果のあることが広く認知されています。ドイツでは慢性の便秘や過敏性腸症候群(Irritable Bowel Syndrome: IBS)の改善に、また痔疾や排便時の苦痛の軽減、妊婦の便秘予防に用いられているようです。
国内でもサイリウム由来の食物繊維成分を関与成分とした特定保健用食品が許可されており、近年では「リバウンドがなく自然に痩せられ、かつ健康にも良い」ダイエット素材として注目されています。
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01ダイエット/肥満解消
サイリウムは消化されず、腸内細菌によっても発酵されません。実質のカロリーはゼロです。腸内で吸水膨潤し(60~80 ml/g)、空腹感を緩和します。また脂肪の吸収を抑制する効果もあります。
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02整腸
膨潤したサイリウムは、腸の蠕動(ぜんどう)運動を刺激します。有害物質の排泄を促進し、腸管内を清浄化するので、各種疾病リスクを低減します。
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03コレステロール低減
サイリウムによる血清コレステロールの低減は、胆汁酸排泄を促進(腸肝循環を阻害)することで、肝臓におけるコレステロールから胆汁酸への異化が亢進されることが主因です。総コレステロールを低下させますが、HDL-コレステロール(善玉コレステロール)はほとんど低下しません。
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04血糖上昇の抑制
サイリウムは、糖吸収を遅らせ、食事後の血糖上昇を抑制します。
水溶性食物繊維 | 不溶性食物繊維 |
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コレステロールとくっついてそのまま排出。 | 水に溶けず、難消化性のため、そのまま排出される。 |
食べ物が胃や腸を移動するのがゆっくりになって、 消化・吸収を穏やかにする。 →体脂肪抑制効果 →糖尿病予防効果 |
保水力が高く、水分を吸って膨らむ。(保水力50〜100ml/g) →食べ過ぎを防ぐ →便の量を増やして大腸を刺激 →便を適度な硬さにする |
梅肉エキス
梅肉エキスは、青梅の果肉を絞り、煮つめて作る梅の濃縮エキスのこと。1 kg の青梅からたった 30 ~ 40 g しかできないため、梅の有効成分が凝縮されています。
血流改善、降圧作用、免疫細胞の活性化、抗インフルエンザウイルス活性、疲労回復、肝臓強化、静菌作用などの効用が知られています。 主成分のクエン酸をはじめ、多くの有機酸を含むため非常に酸味が強く、リン、鉄、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルも豊富に含みます。
また、梅肉エキス特有の成分「ムメフラール」は生の青梅や梅干しには含まれない大変貴重な成分で、血流の改善効果が期待されます。
参考資料: 血液レオロジー計測装置 MC-FAN による食品機能性の迅速・定量評価
(URL http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/nfri/1998/nfri98-01.html )
ラクトフェリン
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01ラクトフェリンは、乳に含まれる生体防御に重要なタンパク質の一種です
ラクトフェリンは多くの哺乳動物の乳に含まれており、ヒトの母乳、特に出産後数日の間に多く分泌される初乳に最も多く含まれているたんぱく質の一種です。
ラクトフェリンは母乳以外にも唾液や涙、鼻汁など体内の外分泌液、粘膜液、白血球の一種である好中球に存在し、外部から侵入する細菌やウイルスからの攻撃を防ぐ防御因子のひとつと考えられています。その他、健康維持に関わっている様々な役割を持つたんぱく質として注目されています。 -
02名前の由来は?
ラクトフェリンという名前は、「ラクト=乳」の中の、「フェリン=鉄を結合するタンパク質」ということから名付けられました。
ラクトフェリンは鉄を結合する力が非常に強く、この性質により微生物の生育を抑制することが知られています。 -
03乳の中にはどのくらいのラクトフェリンが含まれているの?
人の初乳(出産後 5 日頃までの母乳)には 100 ml 当たり約 600 mg、常乳(出産後3週間以降の母乳)では約 200 mg のラクトフェリンが含まれています。
ヒトの初乳には牛の初乳の約 10 倍のラクトフェリンが含まれています。 -
04ラクトフェリンは悪玉菌を抑え、善玉菌を助けます
大腸菌やブドウ球菌、ピロリ菌などの病原菌や腐敗菌は、増殖する際に鉄を必要とします。ラクトフェリンは悪玉菌から鉄を奪いとり、生育を抑制します。一方、整腸作用で知られている善玉菌のビフィズス菌に対しては増殖を助ける働きがあります。
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05腸溶性ラクトフェリンについて最近耳にしますが、ラクトフェリンはそのままで腸まで届くの?
経口摂取したラクトフェリンは分解され、ペプチドやラクトフェリシン、またはラクトフェリンのままで腸まで達します。
ラクトフェリシンは、ラクトフェリンが胃の消化酵素であるペプシンで分解されて生成され、もとのラクトフェリンよりも 10 倍以上強い抗菌性があるペプチドです。 -
06ラクトフェリンの分解物、ラクトフェリシンについて
ラクトフェリシンは悪玉菌と言われる大腸菌、黄色ブドウ球菌、クロストリジウム菌をよくやっつけるのに対し、善玉菌と言われるビフィズス菌に対してはほとんど効果を示しません。
ラクトフェリシンは病原性大腸菌O157、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、胃炎・胃潰瘍・胃がんの原因菌ヘリコバクター・ピロリ菌などの菌に対し殺菌活性を示します。
これらの強力な抗菌活性のほか、抗酸化作用、免疫調節作用、がん細胞の障害作用など、もとのラクトフェリンと同等かより強い生理作用を示します。このラクトフェリシンとそれ以外のラクトフェリン由来ペプチド、そして元のラクトフェリンが共同して胃や腸で様々な有益な作用を発揮しているものと考えられています。
したがって胃で消化を受けないとラクトフェリン本来の機能が発揮できない可能性があります。
FK-23(特許成分)
FK-23 菌を加熱処理して得られる菌体で、生菌体と比べると免疫活性力が 3 倍優れています。 生体内で優れた吸収性を示し、体中の免疫細胞に働きかける作用があります。
LFK(特許成分)
選び抜いた FK-23 菌を酵素溶解し、有効成分を抽出したフェカリス FK-23 菌抽出物です。 LFK は、この特殊処理によって吸収されやすいようになり、通常の生きたフェカリス菌を摂取するよりも早く健康維持をサポートします。